ネイリストの業務委託トラブル

ネイル お仕事のトラブル

こんにちは。
ばしおです。

今日はネイリストの友人が業務委託のトラブルを起こしてしまい困っている様子です。
労働に関するトラブルの話題はついつい気になってしまいます。
なので、今回は友人のトラブルを聞いて私なりに調べたことについて色々書いてみようと思います!

この記事では民法法などについて触れてますが、筆者は専門家ではございませんので、その点についてはご容赦ください。



トラブルの経緯

友人は委託契約を行う際に転職前のサロンの同僚を誘って2人でオーナーの説明を聞いて契約を交わしたとのこと。

委託契約にも関わらず、業務指示が長文のLINEで送られてくる
改行がおかしいし、語尾に「…」とかつけるポエムタイプの情熱的な指示らしい。
トラブルが起きる前に練習台でネイルをしてもらいにサロンへ遊びに行った際、友人とその同僚がオーナーのLINEの話をしているのを聞いてすごいオーナーがいるもんだなと思ったのを覚えている。

そして迎えた最初の支払日、思っていた金額よりもかなり少ない額面での振込みだったとのこと。
オーナーへ連絡し話を聞いたところ、そのことについて実は契約時に二人が同意してる音声を録音していた。弁護士にも相談した上でそうしたとのこと。
これが不満で店を辞めるのであれば6ヶ月前に申告、途中解約の場合は6ヶ月分の場所代を請求するとのこと。

嗚呼、可哀想に。。。

契約内容

契約書を見せてもらいました。

内容を簡単に言うと、ホットペッパービューティーで予約可能にしておく時間数に応じて売上目標が設定され、その目標額の50%を場所代として収める。
目標を達成しない場合でも場所代はいただきます。
と言う感じらしい。。。超わかりづらい。。。

以下、契約書抜粋です。

〜契約書の抜粋〜

第3条 (契約期間) 契約期間は令和○年○月○日から令和○年○月○日までとする。 契約期間満了満了の6ヶ月前までに甲乙いじれからもなんら申し出のない時は、本契約と同一の条件でさらに6ヶ月更新するものとし、以後同様とする。 契約期間内にも関わらず甲が一方的に契約を解除した場合については、契約期間満了までの業務委託料(場所代)を甲は負担する。

第4条(委託料及び委託料の支払い) 乙は甲に対し、別紙の算定表に基づき業務委託料を月末締で算出し(個人売上表を月末最終日までこうは乙に報告)乙は翌月10日に指定する銀行口座に振り込みにて支払う。 消費税に関する納付は乙の負担とする。

別紙で細かい説明が書いてあったのでこちらも抜粋します。

〜別紙の抜粋〜

■サロンについて
シェアサロンとは・・・美容ビジネスにおいてスペースを共有して有料で提供するサービス
当サロンは・・・ネイル・アイラッシュ・ヘアメイクにおいてスペースを共有&必要物品を無料で利用できるサービス
※当サロンの一般的なシェアサロンと大きく違うメリット7つ!
①消耗品を無料で利用できる ②広告ツールを無料で利用できる(ホットペッパービューティーなど) ③自分で時間wきめてはたらける(営業時間がない)④施術料金の設定ができる⑤圧倒的に利用料が低い(ベースは売上の50%) ⑥売上に応じたインセンティブ(個人・サロンの両方)⑦店販商品がある(単価アップにつながる)

■働く基準条件
基本的にサロンには必要なものが揃っているので使用OK通常の業務委託よりも環境や設備、設備お使用を可能にしているので売上最低も苦行の達成としたそのための努力をしっかり行うこと(業務の行為に責任を持つ音を条件とする)状況により利率見直しあり 。

売上利用料
個人目標①60,00050%※月約10日程度(約30時間)まで勤務の条件
120,00049%※月約15日程度(約45時間)まで勤務の条件
200,00048%※上記以上の勤務時間の場合以下(希望により③④⑤選択)
300,00047%※必要に応じて勤務に関してはご相談ください
400,00045%

■支払いについて
・毎月、翌月の10日に入金(できれば事前に楽天銀行の登録をお願いします)
・毎日出勤最終の人はレジ締めを行いグループLINEで共有、毎日おじん売上表を記入しLINEで売上報告を必ず行う(報告漏れの場合、10日の入金ができません)
※上記条件を守れない場合や勝手に条件を変更した場合は契約期間中の委託料を請求します(契約解除は基本的に6ヶ月前の申し出が必要)
※個人最低目標(事前に選択)に達しない場合でも場所代をいただきます(個人で設定した利率)

認識の相違点

認識が相違していた点は下記2点。
・初月3ヶ月間はサロンにお金を入れなくていいと思ってた
・実際の売上ではなく目標金額に対しての50%をサロンに収めるということも理解していなかった。

経験年数1年程度のジュニアネイリストで入っているので自分のお客さまはそれほどおらず、お店のホットペッパーなども予約があまり入らない状況のため、最初の3ヶ月間は売上から何も引かないというお話だったをされたようだ。
それが、実際には売上の半額になっていたそうだ。

そして、上の表からいくと友人は週6日フルタイムで予約可能としているため、目標額が20万円に設定される。
その48%が利用料になるので本来は10万円くらい場所代をサロンに払わなければいけないところを
初月は売上の半額にまけたとの言い分のようだ。

最初の3ヶ月分の条件については書面には一切書かれていないのでどうしようもない。
そして、目標に対しての50%と言いう点についても算定表にわかりにくくはあるが書いているので、仕方ない。

ん〜正直言って確認不足な気が。。。

業務委託契約について調べてみる

ただ、相手から仕事を受ける契約のはずなのに、まさかの報酬がマイナスになることがあるなんて。。。
業務委託契約について私は全くの無知なのでゾッとした。
本当にあった怖い話。

今後業務委託で仕事をすることがあるかないかわからないが折角の機会なので、業務委託契約にありがちなトラブルなどと今回のケースを照らし合わせてたりして色々と考えてみることにした。

独占禁止法「優越的地位の濫用」

 優越的地位の濫用とは,自己の取引上の地位が相手方に優越している一方の当事者が,取引の相手方に対し,その地位を利用して,正常な商慣習に照らし不当に不利益を与える行為のことです。この行為は,独占禁止法により,不公正な取引方法の一類型として禁止されています。

https://www.jftc.go.jp/shitauke/kousyukai/gaiyou.html#:~:text=%E5%84%AA%E8%B6%8A%E7%9A%84%E5%9C%B0%E4%BD%8D%E3%81%AE%E6%BF%AB%E7%94%A8%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%8C%E8%87%AA%E5%B7%B1%E3%81%AE%E5%8F%96%E5%BC%95,%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E7%A6%81%E6%AD%A2%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

契約についての法律を調べていると独占禁止法の優越的地位の濫用が出てきた。
関係ありそうななさそうな、よくわからなかったので公正取引委員会に電話して聞いてみた。
今回のケースは「優越的地位の濫用」に該当する可能性があるが、しかし、業界に悪影響を及ぼさない限り問題にはできないとのこと。
個人サロンの契約トラブルなんて小さいいざこざで、公正取引委員会が絡むことなどほとんど無いそうだ。

まぁ、よく考えればそりゃそうだな。

偽装請負

「偽装請負」という言葉を発見、今回のケースと照らし合わせてみます。

夜中の長文LINEについて

オーナーから夜中に長文LINEが届いて指示とかをされることがあるようでこの点については当てはまるのか???

請負と言いながら、発注者が業務の細かい指示を労働者に出したり、出退勤・勤務時間の管理を行ったりしています。偽装請負によく見られるパターンです。

https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudousha_haken/001.html

場合によっちゃ偽装請負かもしれないし、そうじゃないかもしれない。この「細かい指示」がどれぐらいのものを指すのかが謎
因みに、自分の施術とは全く関係のないお客様に対して連絡するよう指示されたこともあるらしいようなことも言ってた。

材料は無料について

契約書の別紙に「基本的にサロンには必要なものが揃っているので使用OK通常の業務委託よりも環境や設備、設備お使用を可能にしている」と記載がある点について
37告示?とやら偽装請負の判断基準らしきものに、材料は自分で準備すると書いてある。

適正な請負と判断されるためには、請負事業主が請け負った業務を自己の業務として契
約の相手方から独立して処理することなどが必要であり、単に肉体的な労働力を提供する
ものではないことが必要です。そのためには、①請負事業主の責任と負担で、機械、設備
若しくは器材(業務上必要な簡易な工具を除きます)又は材料若しくは資材を準備し、業
務の処理を行うか、②企画又は専門的な技術若しくは経験で業務を処理するか、いずれか
であることが必要です。
 ①の場合に、請負業務の処理自体に直接必要とされる機械、資材等を発注者から借り入
れたり、購入したりする場合は請負契約とは別個の双務契約が必要です。
 他方、請負業務の処理に間接的に必要とされるもの(例えば、請負業務を行う場所の賃
貸料や、光熱費)、請負業務の処理自体には直接必要とされないが、請負業務の処理に伴
い、発注者から請負事業主に提供されるもの(例えば、更衣室やロッカー)については、
別個の双務契約までは必要なく、その利用を認めること等について請負契約中に包括的に
規定されているのであれば特に問題にないものです。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000078287.pdf

でも、自ら行う企画又は事故の有する専門的な技術もしくは経験に基づいて、業務を処理すること。の「専門的な技術」の部分がネイリストということで該当するのだろうか。

ということで偽装請負に今回のケースが当てはまるかどうかは私ではよくわからなかった。
因みに、もし偽装請負だった場合は労基よりも税務署に言われた方が痛いらしい。

無断転貸

偽装請負を見たときに「場所代」についての記載があったので、場所代について調べてみた。
すると、美容室などの面貸でよくあるトラブルとして無断転貸というのが出てきた。

民法612条
1、賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。

https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%B0%91%E6%B3%95%E7%AC%AC612%E6%9D%A1

友人は合鍵を渡されている。
そして、オートロックのマンションでお客さまが入店の際に管理人さんに話しかけてしまわないよう注意してるという話を聞いたことがある。
合鍵をもらう際に鍵に関する契約書等も交わしていないので、マンションのオーナーも知らない可能性が高いから無断転貸は多分してるんだろうなぁ〜。

業務委託契約の「無効」又は「取り消し」は可能か

もしかすると、今回のケースはひょっとすると「偽装請負」や「無断転貸」の可能性はワンチャンあるのではないかと思いました。
難しいかなぁ〜。
でも、もしも該当した場合は一応、違法行為?的な何かではあるから契約の無効や取り消しはできないのだろうか。どうなんだろう。

契約の無効「公序良俗違反」という言葉が出てきました。

第90条
公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。

https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%B0%91%E6%B3%95%E7%AC%AC90%E6%9D%A1

これだけ見るとまぢでひょっとすると「公の秩序又は善良の風俗」って広い意味で使えるっぽくない?
ということで、契約無効にできる可能性0ではないのかなと思ってしまいます。
素人考えなのでしょうか。
都合が良すぎだろうか。
こんなんだからフリーターも務まらないんだろうな。私。

でも、すっごく気になる。

友人のその後の対応

その後友人はすぐに他の仕事を見つけてサロンの出勤を週1日に減らした。
そして、徐々にフェードアウトしていく作戦をとるそうだ。

場所代については請求するにしても弁護士を使う方がお金がかかるから実際は取られないだろうということだ。肝が据わってて羨ましい。。。

いつもそうだ。人に裏切られても理不尽でもそこにはこだわらないで、人を許して前に進んでる。
強い女だ。そう言えば、私も何回も何回も許してもらってる。
肝が据わってるというか、これは人を許せる人の行動なのだろう。

結局、私は契約とか法律とか云々よりも友人の人柄を見習った方が良さそうだ。
その方が今よりずっとこの世界を生きやすくなるんじゃないか。きっと。

こんなに色々考えて調べたがオチは結局、
「許せばいい」ただそれだけのことだった。

とまぁ、色々と話が膨らみましたが今回の発端は完全に友人の確認不足にあります。

契約を交わす際には内容をしっかりと確認、心配であれば録音も取っておいた方が良さそうです。
そして、お金が絡むと人は変わることを常に頭の片隅に入れておいた方が宜しいでしょう。

この件について、後日談があればまた書こうと思いますが一旦これでこの話は終わりです。

長々とお付き合いくださりありがとうございました。

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